推理小説の原点『モルグ街の殺人』のあらすじとレビュー!ミステリー作品の源流をたどる楽しみをご紹介!

読書案内
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【Alice Lidell 英語部】部長の龍兎です!

私は本が好きで、特にミステリー小説を好んで読みます(最近は読む機会が減ったけど)。大学でも英米文学を専門的に学ぶくらいの本好きです。

読書案内一本目の投稿はエドガー・アラン・ポーの著作『モルグ街の殺人』です!


史上初の本格推理小説

本作は1841年に発表された作品です。日本語翻訳で60ページ程なので、1時間あれば読み終わるくらいの文量です。そしてこの『モルグ街の殺人』史上初となる本格推理小説と言われています。

この作品は初の推理小説という肩書きを持ちますが、それ以上に大事なのは推理小説の「お約束」を築いたことです。

「お約束」って何かというと、密室殺人→名推理→意外な犯人という今ではお決まりの流れです。この基盤を作ったのが何を隠そうポーなのです!

ポーが確立したこの手法は現代にも受け継がれています。

特に江戸川乱歩はポーに強い影響を受けました。(江戸川乱歩というペンネームはエドガー・アラン・ポーに由来するのは有名な話ですね)

あらすじ

私なりに本作のあらすじをまとめてみましたので御一読ください。ネタバレは避けていますのでご安心ください!

ある日、フランスはパリのモルグ街で起こった残虐な殺人事件。殺されたレスパネー母娘の死体は常識では考えられないほどに悲惨な状態であった。逃走不可能な密室で行われた猟奇殺人、人力では不可能なほどの遺体の損傷、証人たちが揃って口にする事件当時の現場からは「言葉らしい音声は全く聞こえてこなかった」という供述。警察にはお手上げの難事件だった。そこにオーギュスト・デュパンと名乗る探偵が現れる。まごうことなき天才的な頭脳を持つデュパンと、平凡な語り手である「私」によって解き明かされる、この悲劇の犯人とは・・・。

探偵デュパンは次のような言葉を残しています。個人的に一番好きなセリフです。

真実はいつも井戸の中に潜んでいるわけじゃない。じっさい、重要な知識に関する限り、真実というのはたえず表層に存在するものだ。真実を探すときの谷間は確かに深いかもしれないが、真実が露呈する山頂そのものが深いわけじゃない。

モルグ街の殺人

私はこの言葉に感銘を受けました。皆さんも、大事なことほど見落とすことが多いのではないでしょうか?視野が狭くなっていて視点の移動がうまくできておらず、「見ていても観ていない」という状態ですね。

誤字脱字や、簡単な計算ミスなどがこれに該当するのではないでしょうか。もっと言うと、必死に家の鍵を探した結果、いつものテーブルの上に置いてあったりとかですね笑

大切なことこそ見落としてしまうというのは本当に共感できますよね。これは探偵だけでなく、私たちが生きていくうえで自覚することが大事なのでしょう。

ココがすごい!

続いては僕が個人的にすごい!と思ったところを紹介します!

事件の動機が一切不明!

推理小説では事件の動機が重大な鍵を握ります。なぜこのような事件が起こったのか、というのは事件解決の糸口を掴むために大事ですよね。しかし、『モルグ街の殺人』では動機が一切不明のまま話が展開されていきます。

殺害されたレスパネー母娘は事件の三日前に大量の金貨を受け取っていたことが証言からわかっています。その母娘が殺害されたとなると、普通は強盗説が濃厚です。しかし、事件現場に金貨は残ったままなのです。物取りなどでもなく、母娘はただ殺されたです。

読んでいる最中はひたすらにこの事件の意味、そして殺害の目的がわかりません。なぜレスパネー母娘は殺されなければいけなかったのか!事件の真相が気になるので、どんどん先を読み進め、結末まで手が止まりません!

引き込まれるグロテスクな描写

本作では殺人現場が何度も出てきます。一言でいうと「グロテスクな描写」が繰り返し出てくるわけです。その描写がこれまた素晴らしく、まるで現場を見ているように常軌を逸した殺人というのがはっきりと頭の中に描かれます。

目を背けたくなるような描写だけど、どんどん先が読みたくなる。怖いもの見たさで好奇心を刺激されます。

なぜ、このようにレスパネー母娘は残酷な最後を迎えることになったのか。作中に散りばめられた謎は最後に全てつながります。

探偵小説の全てはここから始まった

探偵小説にはお決まりのアレ、実は『モルグ街の殺人』から始まっています。ここではそれを紹介します。

天才と凡人の組み合わせ

『モルグ街の殺人』に登場する探偵オーギュスト・デュパンは天才的な頭脳を持つ人物として描かれています。観察眼も優れており、細かいことも見逃さずに事件を解決に導きます。

対して語り手の「私」は凡人として描かれています。言ってしまえばただの一般人として、普通の思考回路を持っています。デュパンと「私」は行動を共にしています。

実はこの、天才と凡人の組み合わせというのは本作からスタートしたものです。思い返すと「天才と凡人のコンビ」はさまざまな推理小説で登場しますよね。ホームズとワトソンポアロとヘイスティングズコナンと小五郎のように。今ある探偵コンビはポーによって確立されたのです!

お決まりのストーリー展開

推理小説のお決まりの展開として密室殺人→探偵登場→名推理→意外な真犯人という流れがあります。これは『モルグ街の殺人』を読んでもらえばわかりますが、この展開の原型を作ったのは言わずもがなポーです。

これはもう、ぜひ『モルグ街の殺人』を読んで体感してください。僕が言いたいことがわかります笑。

こんな人に読んでほしい

ミステリー好きにはぜひ本作を読んでほしいです!『モルグ街の殺人』を読むと、今の探偵小説に受け継がれたものにたくさん気づきます。それに気付くのが楽しいんですよね。にやっとしてしまいます笑。

オマージュやパロディに気付き、オリジナルを思い浮かべ比較する。この体験こそが教養であり、読書の楽しみではないでしょうか。今なお受け継がれるミステリーの源流を感じてほしいと思います。

これからミステリー小説を読む方には、本書を読んで元ネタに気づく楽しみを経験してほしいです。

評価は分かれるかも・・・

本書は正直評価が分かれると思います。というのも、1つは物語がシンプルすぎるんですよね。現代ミステリーの重厚なストーリーに慣れている人からすると、あっさり終わったと感じると思います。

また、昨今の練りに寝られたトリックと比較すると本作の謎は見劣りし、味気ないとかんじてしまうかもしれません。

2つ目に、結末が意外すぎることです。序盤から終場にかけてスムーズに話が展開するのですが、そこからオチに向かうまでが急すぎます笑。さらにそこに待ち受ける真相が意外すぎて、違和感を抱くかと思います。

僕自身、最初は「?」となりました笑。とは言っても事件の解決と物語の締めとしては完成されています。

以上の2点から、『モルグ街の殺人』の評価は分かれるかと思います。少しマイナスの要素を書きましたが、本作は1841年に発表された作品だということは忘れないでください。時代背景などを考慮すると物語がシンプルすぎたり、急すぎる展開などは仕方がないかと思います。

繰り返しになりますが、ミステリー小説好きな方はぜひ本作を読んでみてください。ミステリーの原点を楽しみましょう。


執筆者
井上惠隆

Alice Lidell(アリス・リデル)という個人占い屋を経営しています。鑑定歴は10年以上。タロットや手相、風水など様々な占術を合わせたオリジナルの鑑定が人気です☆日中は会社員として九州の片田舎で妻と柴犬と暮らす日々。実用×スピリチュアルで「善く生きる」ための情報を探求中。シンプルな暮らしに憧れています。

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